|  S.I.C.C.(Singapole Island Country Club)
シンガポール。面積は日本の淡路島ほどしかないマレー半島の先にある小さな国である。当時、私が通っていたスイミングスクールはS.I.C.C.(Singapole Island Country Club)であった。ゴルフとテニス・スカッシュ・プールを擁するシンガポール最大のスポーツ施設である。
多くの日本人は、ここのメンバーになっている。会費さえ払えば、ゴルフのプレイ代はただみたいな値段でプレイできるので、こぞって日本人が会員として入っていたのである。今ではどうなっているのか私は知らない。
そのS.I.C.C.では毎年、こんな催し物をしている。正式な名称は忘れてしまったが、「シルバーアワード」?(銀賞)とかいうタイトルで内容はこんな感じである。
船に乗り、航海を続けているある日真夜中に船が遭難し沈没するという想定で、そこから生きて帰るというものだ。まるで「タイタニック」だ(笑)もっとも、タイタニックの事を知ったのはだいぶ後であるが。
チャレンジするものは全員普段着を身につける。もちろん、ズボンや靴や靴下も履いたままだ。全員、ポールに飛び込み、立ち泳ぎをしながら身に付けているものを脱ぎ、プールの外に置く。壁に捕まったら失格だ。そこで大事なのはまず、浮き輪を作る事である。読んでるみんなにも是非覚えてもらいたい。
浮き輪の材料は、ズボンである。ズボンの裾をかた結びで結い。両端を留める。ズボンを上下にして、腹の部分から空気を入れるのである。パンパンとズボンの腹の部分を水面にたたき付けながら空気を入れる。濡れているズボンは当然、空気を通さないので足の部分に空気が溜まり、V字になるのである。そのV字の谷の部分で首を挟むと出来上がりである。この状態で、背泳ぎを始める。10Km泳ぐのである。
その後は、浮き輪を外し、平泳ぎ10Km、クロール10Kmである。早朝から初めて、終わるのは夜である。途中、何回も棄権したかったが、なにくそと泳ぎ、とうとう完泳してしまった。
頂いたメダルと賞状が、また笑える。「あなたは船が沈没しても生きていけます」みたいな事を、航海日誌のような筆記体でまじめに書かれているのである。そりゃあ 生きていけるかもね。運がよければね(笑)
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